時の旅人
作者: 零堵   2010年11月03日(水) 15時04分17秒公開   ID:LjOpF6jSo/I
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「記憶喪失?惑わされるか!」
「何で信じてくれないの?だったら・・・」
「お、おい、何をする気だ?」
クルルは、何所で覚えたか知らないが、武道の構えをしていました。
「はああああ!!」
軍隊の人達を、蹴散らせ、ボコボコにしていました。
「こう見えても、私は連双斬拳法をマスターしたんですからね、死にたく無かったら掛かって来なさい!」
「連双斬拳法だと?、武道の最高峰の武術ではないか!こうなれば、一時退却するぞ」
軍隊の人達は、尻尾を巻いて逃げて行きました。
ラッドとフィルは、唖然としていました。
「お前にも、一つの取り柄って言うのがあったんだな・・・」
「それは、どうゆう意味?」
睨む様な目で、ラッドを見据えていました。
「い、いや、何でも無い、気にしないでくれ・・・(怖)」
「クルルさんって、武術が使えたんですね、全然知りませんでした」
「まあね、一応は、若気の至りって奴?何年か前に、連双斬拳法を習って見たんだけど、マスターしたから、旅芸人でもやろうって思って、色々旅をしていたわよ」
(何故、旅芸人に・・・?)
ラッドは、そう思っているのでした。
「それより、今の軍隊は何所から来たの?フィルを知っていた様だけど、何故捜索願いが出されているの?」
「今のを見て思い出しました・・・、これって記憶が戻ったって事になるんでしょうか・・・?」
「記憶が戻ったの?じゃあ、あの軍隊の人達は何?フィルの事色々教えて欲しいんだけど」
「はい、クルルさん、やっぱり教えなくちゃいけないですよね」
「そうね、私、フィルの事もっと知りたいから♪」
「でも、まず先にライシスさんに、ラクル鉱石を渡しに行きましょう、話はそれからします」
こうして、僕達は、ライシスの家に行く事になりました。
「俺、とことん忘れられてるな・・・・まあ、いいか、これで責められる事も無くなったし、俺は一人旅の方が合ってるな、やっぱり」
ラッドは、何所かに旅立って行きました・・・


〜十二幕〜

僕達は、ライシスの家に行きました。
ライシスの家に着くと、ライシスが暖かな笑顔で迎えてくれました。
「神木の洞窟は、どうでしたか?」
「色々とありましたけど、ラクル鉱石はこれですか?」
フィルは、持ち帰った薄緑色に光る石を、ライシスに見せました。
「おお、これだよ、これで私の作った飛行機械が動かせる、ちょっと貸してみてくれないか?」
「はい、解りました」
ライシスは、フィルからラクル鉱石を受け取った後、倉庫に行き、飛行機械のメインエンジンを動かす装置に、ラクル鉱石をはめ込みました。
すると、鈍い音がして、プロペラが回りだし、ゆっくりと地面から離れていきました。
「やった、成功だ、ありがとう君達」
「いえ、でも飛行機械が完成して良かったですね」
「そうね〜、これで旅の続きが出来るわ〜♪」
「貴方達は、この町から出て行くんですか・・・?」
「そうですね、東の方面に目的地は決まっていますから、この町から出て行きますね」
「じゃあ、私から一つ言わせて貰いたいのだが・・・?」
「何ですか・・・?」
「目的を果たしたら、私の所に来て、研究とか色々手伝ってくれないか・・・・?」
(それって・・・・プ、プロポーズ??)
クルルは、そう考えた後、フィルの顔を見ました。
「あの・・・・気が向いたらしますね・・・」
クルルは、一安心した後
「さあ、フィル、行くわよ」
「そうですね、じゃあ又・・・・」
僕達は、商人の町トラルを出る事にしました。

「そう言えば、フィル、教えてくれない?何で追われてるか」
クルルは、町を出た後に言いました。
「はい、そうですね、僕は別の大陸から来た者で、叔父さんの所から逃げてきました、そしたら何時の間にか、捜索人となっていて、色んな所に張り紙が張ってあるんです・・・」
「そう・・・・でも、その叔父さんは何で、懸賞金を掛けてまでフィルを捕まえようとするの?」
「さあ、それは解りません・・・僕に何か力とかあるから捕まえようとしているのかもしれません・・・」
「そう・・・でも、私はフィルの味方だから、悪い奴は連双斬拳法の餌食にするから安心して♪」
「は、はい、ありがとう御座います・・・」
「目指すは、東、刻の町ね」
「はい、そうですね」
僕達は、東に進んで行きました。
まるで運命がそう決めたように・・・


刻の町
刻の町の中心の地下に、一人の少女がいました。
その少女は、目の前に作り出されたガラス張りの映写機で
フィルの達の事を見ていました。
「そうか、ここに来るか・・・」
その少女は、一体誰なのか?
それは、誰も知りませんでした・・・

〜最終幕〜

僕達は、進路を東に決めて、歩いていました。
東に進んでいくと、雪が降り出し、地面が雪に埋もれていました。
だんだん大雪になっていて、視界がほとんど見えない状態に陥りました。
「この先に刻の町があるようですね・・・」
「でも、この寒さじゃちょっと耐えられないわね・・・」
僕達は、休むと眠りそうなので先に進む事にしました。
先に進んでいくと、雪景色に染めた町が見え始めました。
雪で埋もれて看板が無く、でも他の町とは空気が違っているのでした。
「もしかしてここが刻の町ですか?」
「可能性大ね・・・」
僕達は、町の中に入った後、一つだけ願いが叶うと言われている物を探しました。
町の中を探索していると、足を滑らせ地下深くに落ちてしまいました。
ククルは、別の場所を探していたので、フィルがいなくなった事に気がついていませんでした。

「ここは・・・?」
フィルが目を覚ますと、地下に落ちたはずなのに妙に明るい空間にいるのでした。
「ようこそ、刻の狭間に」
声が聞こえたので振り向くと、僕は驚きました。
僕と瓜二つの顔があり、僕そっくりでした。
「自己紹介がまだだったね、私の名前はフィル、この刻の狭間の番人さ」
「僕と同じ名前・・・」
「正確に言うと、未来の君だけどね」
「未来の僕?」
「そう、百年後にこの世界に来たんだ、私の経緯を教えるよ」
そう言って、フィルは話し始めました。

「今から百年後、世界は暗黒の時代だった。
何もかもが破壊されていて、私はその世界で生きていたんだ。
でも、ある時、暗黒にした張本人が何者かに倒されて一瞬だけ世界が平和になった。
その張本人は、時を翔ける事が出来ると知った私を、無理矢理転送装置に押し込んだ。
傷を癒して復活した張本人は、僕と一緒に過去に逃げたんだ。
でもその時、体が二つに分類され、一人はここに来て、もう一人が君だよ」
「じゃあその張本人って?」
「君の叔父と名乗る者だよ・・・」
「だから僕の事を血眼になって探していたのか・・・」
「そう、多分働かせるとか理由を付けて、体力を付けて時の翔けようとさせたんだろう・・・」
「じゃあ、僕はどうすれば・・・・」
「私と一緒に未来に行って、その行為を止めに行くんだ、そのために待っていたのだから・・・」
「何故僕と・・・?」
「一緒に行かないと時を翔ける事が出来ないから・・・元は一人の人間だったからね・・・」
僕は、考えました。
「解った、一緒に行く事にするよ・・・」
こうして僕は、未来に行く事にしました。
「時の狭間よ、私に力を貸し、元にいた時代に転送せよ」
空間が唸り出し、僕達を飲み込んだ後、その空間が消えました。
(さよならクルル・・・)
僕は、そう思っていました。
その頃クルルは、フィルの事を必死に探しています
「フィル!?何所、一人にしないで!〜〜!」
しかしその声は、フィルには全く届いていません
クルルがいくら叫んでも、フィルは一向に姿を現さなかったのです
フィルは、未来に行く事を決心したからでした。
こうしてフィルは、未来に戻り、一つに戻って
過去の過ちを阻止する事に成功したのでした。
過去の思い出を残しながら・・・


〜FIN〜
■作者からのメッセージ
ども〜零堵です。
役一年前、名前を変えて投稿した処女作品
時の旅人を再編成してあらたに投稿します
誤字修正と台詞追加をしてるので、前の作品と少し違っていますので
よかったら見てやって下さいませ
あ、ちなみにミスティックはまだまだ続けますので、よろしくです。
では〜

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