ジュエルプリンセス+7 生まれる前から。 | |
作者: 夏姫 みの 2010年08月16日(月) 19時35分27秒公開 ID:pKbqOpuK9mo | |
「……さん……ね……さ……姉さんっ!!!!」 「……? あら、 「何ケロっとしてるんですか!! 今日は生徒会会議ですよ!!」 「え、そうだったんですの?! さっそく準備をしなくては!!」 「はぁ……」 有紀はため息をつく。桃奈は急いでベッドから飛び降りて学校へ行く準備する。 「有紀、出て行かないと…」 「わかってます。それよりも後五分で準備しないと間に合いませんからね。では」 桃奈が準備を急いでしてるとき、扉をガチャリと閉める音がした。 「あの夢は、なんだったのかしら?」 桃奈は手を止めてつぶやいた。 今は準備しないといけないから後で考えましょう、と思って手を再度動かした。でもそのときもまだ、夢のことを気にしていた。 *** 「いってきまーす」 姉弟二人で同時に言った。たまにこんなこともあるのだ。 「姉さん、おなかすいてませんか??」 「大丈夫。昨日徹夜でカップケーキを作って、学校で食べるつもりなのですわ。みんなで」 「そうなんですか」 「ええ。……話はすごく変わりますが私、ヘンな夢をみましたの」 「ヘンな夢?」 「そうなの。一人の女の子と男の子の夢をみまして。なんか懐かしい感じがしましたわ」 「姉さん、それが本当だとしたら僕も同じ夢をみたかもです」 「え!?」 姉弟でもこんなことはありえるのだろうか? 同じ夢をみるコトなんて漫画や小説などでしかないと思っていたが、まさか本当にそうなるとは二人とも思っていなかった。 「僕も、姉さんみたいな夢をみたんです。不思議ですが、懐かしい感じが……」 有紀も桃奈と同じコトを言った。 同じだね。 姉弟だね。 そんな声が、かすかに二人の耳に聞こえてきた。同時に振り向いても何もない。 「夢は生まれる前の話かしら?」 ふと桃奈が言う。 「そうだったら僕たちはココにいる前から出会っていた、ってことになりますね」 有紀は夢のことを考えながら言った。 「ずっと、いっしょだよ」 最後に二人は同時に言って、クスクスと笑った。 ⇒To Be Continued... |
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