落水ウォーイング
作者: ヒカリ   2010年07月20日(火) 22時35分24秒公開   ID:2EbdM0k4XrU
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(((ナイロ・レーレンス)))


見事に俺の安眠を邪魔しやがったのは朝日。


すごくうざい。

ものすごくうざい。


朝日が入るとすぐに部屋のドアが開く。


このフカフカの布団を取りに従者がやってくる。



コンコン!



ほら来た。


俺は精一杯に布団を自分に巻きつけた。



???「ナイロ様。シバでございます。」


俺の名前はナイロ。

ナイロ・レーレンス。


ナイロ「ん〜・・・・。入れ〜・・・・。」


眠いっての!


するとドアがガチャっと開いた。


そこに立っているのは見覚えのある姿。


サラサラの青の髪をヘアバンドでかき上げ、無表情な顔が特徴の俺の従者。


シバ「朝でございます。起きてください。」


ナイロ「い〜や〜だ〜!」


誰がこの布団を渡すもんか!


シバ「ナイロ様!」


シバも負けじと俺の布団を引っ張る。


ナイロ「いやだー!」


シバ「ナイロ様!」


これがいつもの日常なのだ。


いつもの日常・・・。


こんな平和な日常は城の中だけである。


俺はこの国、ミシッタ王国の次期王位継承者。


外では厳格な態度を取る。


まぁ、他にも理由はあるのだが・・・。




今、このミシッタ王国とネリーナ王国が戦争をしている。


俺がやれと言ったのではない。


大臣と俺の父が決めたのだ。





俺は父が嫌いだ。


いつも俺には何も教えてくれない。


俺は一人で外に出たこともない。


父が出してくれないからだ。




俺はこんな父親にはならないと決めている。





俺は父親が大嫌いだ。





戦争も嫌いだ。




でもシバは信頼している。





今、この世で一番信頼しているのはシバだ。



なんといってもあいつは俺の最高従者だからな。
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