ジュエルプリンセスFlash 第9話 貴方が敵だとしても僕は
作者: 夏姫 みの  [Home]   2009年11月05日(木) 20時15分19秒公開   ID:bkWoewa3Plc
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「……有紀たちが近づいてくる……」



黒い宝石に取り付かれたように、桃奈ももなは言う。



鳴課なるかさん、今頃過去で何をやっているのかしら?」



ふと、鳴課を思い出す。今思い出すと、ずっと前のことだったようだ。その時





「姉さんっ!!」





背後から声がした。






















「――有紀」
「!」


――ね、姉さんがおかしい。何かに取り付かれてる感じがします……――

















桃奈ももなちゃん! 私、叶氣かなきだ…」


「危ない!」



陽は叶氣をお姫様抱っこして、叶氣を守る。


「……すごい力を持っているようね」


――何処から、そんな力が沸いてくるのかしら? 待って、あの子は操られている。じゃあ操ってるのは何? 何なの? ……!! もしかして……。
 由梨はそう思って、桃奈の全身を見た。黒っぽい宝石を手に持ってるのがわかった。由梨は「もしかして…」と思った。


「弟君。とりあえず、お姉さんを操ってるのがわかったわ!」
「な、なんですか?! 何が姉さんを操ってるんですか?!」

由梨は有紀にヒソヒソと言う。


「――わかりました。今回は僕が相手です!」
「えっ……? 有紀くん?!」
「有紀、危ないぞ! 有紀は宝石の力ジュエルパワーを手に入れて、まだそんなに経ってない!

 陽と叶氣は桃奈との戦闘をやめるように言う。だが、有紀はやめようとしない。お姉さんが大切で、自分の力で正気に戻したいのだ。



「僕は姉さんと戦います! 大切な家族の一員で大切な人だからこそ、僕が……正気に戻したいから……」



「あら、生徒会でも弟的存在の有紀が私に挑むの?」
「はいっ!」(弟って……)

















――本当は戦いたくない。姉さんは、ずっと一緒だった……大切な家族ですから。



















でも

















これが僕の選択……姉さんと戦わなければ姉さんは、ずっと……このままの状態だ。


















このままでいいのですか? 本当に?


















嫌だ。嫌……姉さん……あの頃に戻って……。




















有紀は心の中で、涙を流していた。表には出てないが、心ではそっと……。






「じゃあ……いきますわよ!!」
「はい!!」






空上姉弟以外は後ろに下がった。相手の技が当たると危ないからだ。











「ジュエリーチェンジ! シャイニング リボン アイオライト!!」










 桃奈ももなのジュエリーチェンジだ。紺色と黒が基調でリボンが多めに付いている。
 いつもは「ローズクォーツ」のはずが「アイオライト」という宝石だ。それは…














黒い宝石がアイオライトだったからだ。








アイオライトは黒っぽい紫をしている。ほぼ黒の宝石だ。



「桃奈ちゃんのジュエリーチェンジ……?」
「この邪悪な感じ……ブラックローズ学園と同じだ」
「……頑張ってね。弟くん……」


 それぞれの思いを口にする。有紀も緑の宝石――グリーントパーズを手に取り、緑の光を放った。そして…





「ジュエリーチェンジ! シャイニング リーフグリーントパーズ!」





有紀はジュエリーチェンジをしたのだった。




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⇒To Be Continued...

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