ジュエルプリンセスMiracle 第13話 黒百合と黒薔薇
作者: 夏姫 みの  [Home]   2010年04月06日(火) 14時26分26秒公開   ID:bkWoewa3Plc
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一方


由梨ゆり


 懐かしい声がした。由梨が振り返ってみると、そこには美しい黒髪の姉妹

「も、もしかして……あ、哀瑠あいるさん!!!!! そして、哀梨あいりさんも正気に戻ったんですね!!」
「ええ。おかげさまで。ありがとう」

 由梨はうれし涙を流した。ジュエルプリンセスを最初から読んでる人はわかるだろう。姉の黒百合くろゆり 哀瑠、その妹の黒百合 哀梨だ。二人とも、叶氣かなきたちの通ってる姫桜ひめざくら中学の姉妹校、ブラックローズ学園の学園長をやっていた。そして叶氣たちの敵でもあった。だが、叶氣たちで戦って正気に戻した。

これから宝石の姫様ジュエルプリンセスたちに会おうと思ってるんだけど……どう? 由梨も」

哀瑠は由梨を誘う。

「行きます。実は私も丁度お話したいコトがありまして」
「では久々に、行きましょう」


三人は姫桜中学に向かうのだった。




***




「おはようございます」
「おはようございますですわ」

有紀ゆうき桃奈ももなは挨拶をする。

「あ、桃奈ちゃんと有紀くん。おはよう」
「おはよーいっ!!」
「おはよう」

叶氣、詩羽しうしゅうの順番で挨拶する。

「今日も日向ひなたくんが来ないですわね。もうそろそろ卒業式ですのに
「そうだねー。三年生は今年卒業だもん。桃奈先輩と離れるの嫌だよー!! こんないい先輩を卒業させないでよー!!!!」

詩羽は桃奈に抱きつく。

「私も、この生徒会からは離れたくないですわ。ずっといたい。ですが、また中学一年生から、やり直しなんてできないのですわ。けど私がいなくなっても、姫様中心に生徒会をやっていってほしいのです。まあ詩羽さんも来年は二年生ですし、それなりに自分の役割を果たしていってください
「ううっ……桃奈先輩ー……」

詩羽は泣く。

「詩羽ちゃん、大丈夫だよ。だって桃奈ちゃん、隣の私立高校でしょ?」

叶氣は言う。

「ええ、私と日向くんはそこに行きますわ。もうすぐ結果は出るそうで。たぶん今週の金曜日に高校から手紙が届いたら、合格ということになるんですの」

「えっ?! そうなの?!」

詩羽は驚く。叶氣はうなずく。

「そうですわ。親がどうしても「桃奈は隣の高校に行ってくれれば大助かり」って、言ってたものなので。ね、有紀」

桃奈は有紀に向かって言う。

「はい。僕も、その高校へ行きます。やっぱり親から言われたので」
「そうなんだ!! んじゃあ…」
「遊びに向かいますわ。余裕ができたらですが」
「やたーっ!!!!」


 詩羽は大喜びだ。叶氣たちも笑顔になる。その時、コンコン、とノック音がした。

「はい。どうぞ」

桃奈が返事をする。入ってきた人たちを見て、叶氣たちは驚いた。


「お久しぶり、皆さん」


哀瑠あいる哀梨あいり由梨ゆりが入ってくる。


「あのー。あなたたひは?」

詩詩羽は、はてなマークを頭に浮かばせている。叶氣は

「あ、詩羽ちゃんは初めてだよね。こちらは黒百合くろゆり 哀瑠さんと、その妹の哀梨さん。秀くんが通っていたブラックローズ学園の元 学園長だよ」
「よろしく、秀の妹さん」

哀梨の言葉に詩羽は驚いた。なぜなら、自分の名前を知っているからだ。

「そしてブラックローズ学園に通う鈴川すずかわ 由梨ちゃん」
「よろしく。あなたの事は、秀から聞いてるわ」



「あ、もしかして……有理ゆうりのお姉さんかぁ!!」



「え」

叶氣と由梨は、その言葉で固まった。


(な、なんで有理ちゃんのことを知ってるの?! 呼び捨てってことは……親しいの??)


叶氣は驚く。


「とにかくよろしくねー」


詩羽はキラキラとした笑顔で言う。叶氣たちのことも気づかずに。

「秀の妹さんだったのね。てっきり彼女かと…
「よく間違えられる。けど妹で特別な感情も無い」
「っていうのが怪しいわ。まさか秀、近親相姦にでも目覚めた?

この言葉で皆、秀と詩羽に視線が向かう。

「……作者みたいな事、言わないで」
「ごめんごめん」

哀梨は言う。

「それで、どうしてここに?」

有紀は由梨に聞く。


「とにかく話したい事があるの。貴方たちに。……鳴課なるか日向ひなたくんの事で

「えっ?!」


叶氣たちは驚く。この後、驚くべき事実が明かされるなんて思っても無かった。




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⇒To Be Continued...

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