ジュエルプリンセスFlash 第10話 お守り、透明のリボン | |
作者: 夏姫 みの [Home] 2009年11月15日(日) 15時58分21秒公開 ID:bkWoewa3Plc | |
「さっきのはテレパシーよ。私がテレパシーを使って、映像を出してるの。でも結構パワーを使ってしまうのよね」 「そう……ですか」 僕は少しだけ微笑んだ。姉さんも微笑む。 「あ、有紀。そろそろ私……消えちゃうわ」 「え……」 だんだんと姉さんは幽霊のように薄くなっていく。一つの映像が見えなくなるみたいに。 「大丈夫よ。死なないから。それに…心まで闇は深くないし……きっと大丈夫ですわ」 姉さんは、ほんわかな笑顔で言う。僕は言葉が出なかった。むしろ声が出ない。 「ほら……3人が待ってますわよ。早く…行ってあげて。それからこれ」 姉さんが、いつも持ち歩いている透明のリボンを渡された。 「これはね、空上家代々に伝わるリボンでしたの。それにはきっと……すごい力が秘められているわ。だから……これをお守りにして…どうか……本来の私を取り戻してちょうだい」 姉さんが、さらに薄くなる。もう手もすり抜けてしまう。 「……最後に一つだけ。有紀の優しい気持ちは、闇に包まれた私にちゃーんと伝わってますわよ」 姉さんは消えてしまった。 そして僕は、はっとした。 「夢……?」 いや、夢じゃなかったかもしれない。テレパシー? いや、違う。ちゃんと…… ――姉さんを元に戻したい―― その思いはリボンへと伝わってきたのか、リボンが光りだす。 「……な、なんです……か?」 その光は大きくなり、有紀は光に包まれた。 「有紀くん……?」 「まさかっ!」 叶氣と由梨は言った。 「もしかして……」 陽も驚いた。 「眩しいっ!!」 操られた桃奈は目を閉じる。 そして有紀は… 「ジュエリーチェンジ! フラッシュグリーントパーズ!!」 まさか僕の新しい……ジュエリーチェンジ……? Next Story |
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