友のために麗羽は生きる(]V)
作者: 美月   2010年01月18日(月) 22時55分33秒公開   ID:ov6RKaAr3rc



「ダンスって・・・踊り?」



麗羽は一人に聞く



「多分な・・・。夜明けまで踊り明かすものだ。」


一人は真剣に答える




「・・・違うだろ?」



桜は遠い目で腕を組み突っ込んだ






「いいか?パーティのダンスっていうのはな・・・。」



「あ、桜が語りだした・・・。」



麗羽に桜はかまずパーティについてず語る




「桜は元貴族なんだ。過去に色々あってここにいる。」


一人は麗羽に耳打ちする




「元貴族ね〜・・・・。」


麗羽は感心したように呟いた




「・・・まずは実践だろ。」


一人はニヤつく




「俺、新しい薬品の試作品を作らなきゃいけないから抜けるわ。」


一人はバイバイの身ぶりをした



「桜と麗羽で・・・頼むわ。」



そうして一人は消えてしまった








「・・・・薬品の試作品って・・・・・・・。」



桜はため息をつき


麗羽をチラッと見た



「・・・?」


麗羽は不思議そうにする




「・・・・まあいいや。どうせ一人はダンスには向いてない。お前が覚えろ。」



「はぁ!?」




そうすると桜は麗羽の腰を片手で持ち



もう片手で麗羽の手を持った




「お!以外にやりやすいプロポーション。」



「ちょっ・・・!」




そうすると桜は回りだした



「・・・左足のかかとを後ろから回して横に進め。」



「左のかかと・・・・。左のかかと・・・・。」




麗羽は呪文のように唱えながら真剣な顔で踊る



「・・・笑わなきゃ。」



桜は顔を近づける



「う・・・・!近すぎ・・・・・!」


「笑え笑え笑え笑え笑え笑え!」



はたから見れば変な動作で踊る




「だいぶうまくなったな・・・。」



しばらくすると桜が呟いた




「貴族ってこんなことばっかりして飽きないのかしら。」


麗羽は息を吐く




「貴族連中は何を考えてるかわからない・・・。」



「あんたもでしょ?」












そしてパーティ当日


「わあ・・・・お美しい・・・・!」




黒城さんは海のように透き通った青のドレスを麗羽に着せる



「・・・ドレスってすごい・・・・・。」



麗羽は感激のあまり声が震えた




「さあっ!あんたもコレ着なさい!」



おばさんは桜に漆黒のタキシードを着せる


「・・・いいんですか?これ・・・・。」



桜は心配そうに鏡を見る




「気にしなーいで!」


おばさんは笑って言った

























(広い・・・・。広すぎる・・・・・。)



パーティの会場はとてつもなく広かった





そしてそこには何人もの貴族がいた



「・・・で、一人は?」



麗羽は桜を見る



「あいつは外で待ってるって。気にすんなよ。」




それから麗羽はパーティでごはんを食べまくり


ダンスを踊り


楽しんだ




「うぃー・・・ひっく・・・ひっく・・・・・・!」



麗羽にはお酒が入った




「お前・・・ワイン飲んだのか?」



「うん・・・・。でもほら♪こんなに平気・・・  「じゃないだろっ!」










「・・・ったく。お前は何なんだよ・・・・・ひっく!」



桜もワインを飲んでいたようだ



「うぅー・・・。」



麗羽は床に倒れこんだ




「・・・・・。」




桜は倒れた麗羽を見据える



しっかりと眠ってしまったようだ




「クークー・・・。」



静かな寝息が聞こえる



気づくともうパーティ会場に人はいなかった






桜は麗羽を抱き起こす




そして静かにキスをした











・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






「ったく!」


桜はブスッとしている




「まあまあ気にしなーいで♪」


おばさんはニコニコ笑う





実はこのパーティは


おばさんと一人がなぜか企画したドッキリだった






(・・・・桜にキスされた夢見た・・・・・・・。)



麗羽の顔はしばらく赤いままだった



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