友のために麗羽は生きる([)
作者: 美月   2010年01月10日(日) 20時39分05秒公開   ID:Ee3yYWMigJ6



―鈴風の方がよっぽど必要な人間だよ。―












闇に紛れて麗羽の笑顔が光る






























「あれ?」



ある少年達二人が人通りのない所に倒れている鈴風を見つける



「えーっと・・・いわゆる生き倒れ?」




「そうだな。よし、俺の実験サンプルに・・・!」

「やめたげてー!!!???」






人気のない草むらに風が吹く



「それにしても変わった服着てるなー。」


横に自然的にツンツンした髪が特徴の少年が鈴風を抱き起こす


「よし、俺の実験サンプルに・・・・。」

「なんで!?」















































「ん・・・・・・。」



鈴風は目覚める


ボーっとする頭で辺りを見回すと


そこは小屋らしき所だった




「目を覚ましたか、【実験サンプルAタイプ】。」


そう言ったのはバンダナをして髪をかき上げている少年だった



「(実験サンプルAタイプ?)・・・・どこだ?ここは・・・・・。」



まず鈴風はそれを聞いておきたかった



ガチャッ!「目覚めたんだね〜!おかゆ作ったよ〜!食べる?」


ドアを開けたのはもう一人の少年だった



そして少年はおかゆの入ったおわんを目の前に置く



「君は、どこから来たの?」


「多分・・・崖。」



「崖!?あの辺に崖はないよ?」


「怪しいね・・・・。」



二人の少年はジロジロ鈴風の服を見る


「ってか・・・変わってるな〜。その服。」


「新型の服?」



鈴風はキョトンとした顔で少年達を見る


「何?学院の制服じゃない。」


「学院?制服?なんだい、それ?」


「興味をそそるな。すべて話せ。お前の知識を余すところなく・・・な。」



「お前、それいやがらせだろ!」







「・・・・・。」


(まるで違う世界にでもいるようだな〜・・・・・。)




鈴風は気を失う前のことを思い出した




―鈴風を・・・逃げることのない世界へ!!!―






(なんで生きてるんだろう・・・・。)




鈴風は自分の手を見る




(この手が麗羽に届いていれば、麗羽は生きていたのかな・・・?)


鈴風は急に死にたくなった



自分があの時助かっていなければ麗羽が助かったのかと・・・





「あ、俺の名前は桜(さくら)。で、こっちのマッドサイエンティストのバンダナが一人(かずと)。二人で旅してるんだ〜。」


「・・・・・。」



「あんたの名前は〜?」











(麗羽っ!麗羽っ!麗羽っ!)






「おーい。」



桜は鈴風の顔を覗き込む







しかし鈴風はそのことに見向きもしない







(麗羽は必要な人間なのに・・・!私が生きているなんて!!)










なんで麗羽が生きてないんだ!!!!






「・・・・・・麗羽。」



「ふーん。麗羽っていうんだ。」



「え?」



「『え?』ってあんたの名前だろ?」




その時鈴風はふと思った






(私が麗羽になれば・・・・・・・。)
























「・・・うん。私の名前は麗羽。同じく旅をしています。」




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