小さな僕の初恋 0
作者: 翠   2009年12月14日(月) 19時35分00秒公開   ID:33E/nA6Ip9Y
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小さい頃、僕には大好きな女の子がいた。

僕のコンプレックスを見て「…綺麗だと思うよ?」と言ってくれた人。

その子は、僕たちが小学校に上がる前に何処かに行ってしまった。

“また何所かで逢えるといいなぁ…”

そんなことを想っているうちに時は僕を身体だけを大人にしてくれた。



プロローグ 夢の中なら逢えるのに…


『ねぇ。何読んでるの?』
本をじっと見つめる女の子に声をかけると、女の子は少しムッとした顔をしながら僕のほうを見てくれた。
『……なんでもい…』
女の子は途中まで言いかけると僕の顔を見て驚いた顔をする。
『…? 僕の顔に何かついてる?』
僕は驚く女の子に笑いかけながら聞く。
女の子は少し沈黙するも口を開いた。
『……瞳の色が…』
『ん?…あっこれは生まれつきなんだけどやっぱキミも変だと思う?』
僕は痛いところを付かれて苦笑しながら頭を掻いた。
純日本人家系のはずなのに生まれつき瞳の色が左右違っていた。そのせいで今まで何度、「変だ」とか「化け物だ」と言われてきた。
(やっぱりこんな目じゃ友達なんて…)
―出来ないんだ。と思ったとき、女の子は僕の顔を自分のほうに引き寄せてきた。
『…そんなことないよ。綺麗だと思うよ?』
そう言って笑ってくれた。
その笑顔が、すごくキラキラして見えてたぶんその笑顔に僕は恋をした…。


薄っすらと開く目蓋。目蓋が開くと感じる失望にも似た感情。
(…夢だったのか)
むっくりと布団を持ち上げながら起き出すと冬が来たんだなぁを実感する今日この頃。子供の頃からの口調も自分のことを“僕”と言う癖が付いてしまった、神崎 久音かんざき くおん(16歳)は、高校生になってはじめての冬を迎えようとしていた。



⇒To Be Continued...

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