BAT〜心の在処〜
作者: クリカ   2009年11月16日(月) 22時05分48秒公開   ID:Ee3yYWMigJ6



「・・・・・。」


「・・・・・。」


「・・・・・。」



3人は何も喋らない


喋れないというか・・・話せないというか・・・・・



だってここは城の中だから・・・




「みなさん?どうぞ、お紅茶をお飲みください。」


アルミンは笑う



何か執事やらメイドやらが周りにいても物音一つしないっていうのは

慣れないというか・・・



「いただきます・・・。」


慶は最初にカップを持つ


ちゃんとした匂い

本格的なカップ




(すげぇ・・・。)



慶はアルミンを見る


「!」


するとアルミンは顔を赤らめて横を向いた



「のっっ!?」


慶は思った


(もしかして早く帰った方がいいのか?俺、嫌われてたりして・・・。)







トントン・・・


「ん?」


慶は誰かに背中を叩かれた



「ワッチさん・・・・・。」



「リアラから伝言。よくやった、だってさ。」



「・・・はあ。」



慶はどう対処していいかわからなくなった




「あの、私達は少し、アルミン様に聞きたいことがありまして・・・。」



「何でしょう?」



リアラは本題を話し始めた



「町のうわさです。なんでも、姉のジャスミン様の心がないとか・・・。」



「・・・・・はい。」



アルミンはうつむく



「姉はこの国の正当後継者です。今すぐにでも姉の心を取り戻したいです。けど・・・。」



「けど?」


「姉の心はこの国の北にある屋敷に隠されているのです。場所は特定できているのですが、誰も生きては帰ってきませんでした・・・。」



「・・・えっとちょっと戻りますけど、心って持ち運びできるものなのか?」



慶にとっては現実味がなさすぎた


「それには俺が答えるよ、慶。」


ワッチが慶と肩を組んだ


「出来ちゃうんだな〜、それが。感情を固めて手で触れることができる。」


「不思議ですね・・・。」


「・・・不思議に見えるか?普通なんだ、それが。」



ワッチは寂しそうに笑った



「で、どうする?」


リアラは慶を睨んだ


「・・・どうするって・・・・・助ける・・・・・の・・・・・・?」



慶はアルミンを見つめる



アルミンは首を振る


「ダメです!あなた方には死んで欲しくありませんっ!」



「大丈夫です。私共は腕に自信がございます。」


リアラが礼儀正しくお辞儀をした


「ってわけで・・・。」


リアラは慶の肩を叩く


「あ?」



「なっ。」



「・・・・・。」



(ああ・・・、一緒に行けってか?)



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