BAT〜トンネルの先に〜
作者: クリカ   2009年11月13日(金) 20時02分00秒公開   ID:ov6RKaAr3rc


「ふんふん・・・うんっ。大体お前等の事情はわかった。」


慶はホッと息をつく


「よかった・・・。話がわかる人で・・・。」


「・・・・・で、これからどうするの?慶。」


リアラは慶を上から見下ろす


「・・・もう、ここにはいれないよな・・・。」



慶はため息をつく


「・・・そうだろうな。では、この町から出るとするか・・・。」


「は?出るって?」


リアラは歩いていく


「ついてこい。」











リアラは隣町へ行くルートへ歩いていく


「・・・あんたもついてきちゃったんだ。」


慶は振り向く


ワッチはついてきてしまった


「いいじゃんかよ〜。どうせ俺、行くとこないしさ〜。」


(今の状況・・・ワッチさんはわかっているか・・・?)






「ついた。」


リアラは隣町へ行くためのトンネルの前で止まる


「何だよ・・・。トンネル・・?」


リアラは真剣な表情になる


「覚悟はできてるか?」


「は?」


「覚悟はできてるか?ってさ。」


ワッチがリアラの補助をする


「覚悟って・・・。」



「この先に何があっても、動じない覚悟を持て。進むのならばな。」


リアラはトンネルの中に入っていく


リアラは暗闇に消えた


「・・・。」


「・・・。」



慶とワッチは取り残される


慶とワッチは顔を見合わせる


「・・・実は俺、ここから来たんだよね・・・。」


ワッチは汗を流す


「え?」


「あ、いや・・・。だから俺は大丈夫だってこと。お前は?」


「・・・・。」


慶は一瞬迷う



(この先には何があるんだ?・・・【死】以外の何かが待っているのか・・・?)



慶はトンネルへ踏み込む


「俺・・・進む。リアラを信じてみるよ。」


ワッチは笑う


「信じる・・・か・・・。」


ワッチもトンネルに入った









「・・・・・。」



慶はいつのまにか目を瞑って寝てしまっていた



煙のような・・・


霧のような何かが体を包んでいる感じがする


(ここが・・・トンネルの中・・・・?)


目を瞑っていたため中の状況を把握できない


しかし体が目を瞑っていろと言っているようだった


(このまま行けば・・・俺は、どこに出るのだろう・・・・。)


体から霧のようなものが離れていく


そして光が差した


さっきまで浮いている感じから立っている感じへ段々変わっていく








―どう?トンネルの外へ・・・出られた?―







「・・・・。」


慶は目を開けた


そこには慶に顔を近づかせたリアラがいた


「・・・近いっすけど・・・。」


「あ、すまん。」


リアラは顔を離した


「ワッチさんは?」


「あそこだ。」


リアラは指を指した


しかし慶の目に入ったのはワッチではなかった


一面に広がる砂漠だった


「な、なんだよ・・・これ・・・・。」



「おい、俺を見ろよ、俺を。」


そういうワッチを慶は無視した


「なんで・・・砂漠に・・・?」



リアラは目を閉じる


「アスクリダ・・・・。この町が無事だったのはお前がいたからだ。」


「!!!」


「ま、覚悟はしただろ?」


ワッチは慶の肩を叩く


「とにかく、前へ進め。お前が選んだ道だろっ!!」


リアラは慶の顔を鋭く見つめる


「・・・・嘘だろ。」



慶はうつむく



―覚悟はしただろ?―



―お前が選んだ道だろっ!!―




慶は顔をあげる


「!」


リアラは驚く


「・・・わかった。迷わない。・・・進んでやるよ。」


慶は決心したようだった


ワッチはそれを受け止めるように見つめていた



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