BAT〜臆病者〜
作者: クリカ   2009年11月11日(水) 21時20分41秒公開   ID:ov6RKaAr3rc



「はあ・・・はあ・・・。」


慶はある橋の下で休んでいた


(もう少しで連れて行かれるとこだった〜・・・。)




「はあ・・・・・。」


慶は気が抜けたのか

一息吐くと気を失った















―・・・・い・・・。―







―おい・・・。―





―おい・・・!―






「おいっっ!!!」



「ひぎょあぁ!!!??」



(あ、なんか変な声出しちまった・・・。)



慶は顔を上げて声の主を見た



声の主は少女だった



「何でここに寝ている!?ここはあたしの家だよ!!」



「は?」



「しかも今、餓鬼はお勉強の時間だろ!?」



「餓鬼だぁっ!?」



「早く戻れ!餓鬼は学校行ってクソして寝てやがれ!!」




「(ぴきっ・・・!)こっちにも事情ってのがあるんだよっ。」



少女は覚めた目で慶を見据える



「・・・あるだろうな。餓鬼なりの事情が。」



ブチッッ!!


とうとう慶は切れた



「んだよ!!さっきから餓鬼餓鬼って!!てめぇの方が俺より年下だろっ!!?」



「・・・ノーコメント。」



「ったく・・・。」


慶は叫んだらやたらと落ち着いた



慶は少女をよく見てみた



少女は左頬と左肘と両膝にバンソウコウがあって髪が短かったため

勇ましさが漂っていた



「・・・。」


少女はその場にあぐらで座り込む


「話せ。お前のような餓鬼の事情とやらを聞いてやろう。」



「・・・ああ。」



慶は自分の高校に突然現れた3人組の話

その3人組が自分を連れて行こうとした話

世界が滅ぶと喋っていた話をした



「・・・ふむ。」


少女は考え込む


「お前、何か言われなかったのか?」


「あぁ・・・言われたけど、意味わかんねぇからあんまり覚えてねぇ。」


「そこが重要なのではないか・・・使えないな、餓鬼。」


「(ピキッ!)そういうお前は何か心当たりでもあるのか?」


少女は真剣な顔で慶を見る





「・・・聞いたことがあるだけだがな。」


「!教えてくれよっ。あいつらは何なのか・・・!」



少女はフッと笑った


「それが人に物を頼む口調か?」


「うっ・・・。教えてくださいませんか?あの方達は何なのかを。(怒)」


「よろしい。」


少女はニッコリ笑った





「あいつらの組織の名は【アスクリデ】。」


「(ごくっ・・・。)」


「ま、ようするに悪の組織だな。世界滅亡を目論む極悪非道な・・・」


「待て!」


慶は話を途中で切る


「何だ?」


「いや、なんか途中から話を軽く話すからさ・・・。」


「わかりやすく説明しているだけだろ?わかりやすいだろ?」


「え?まぁ・・・。」



少女は繭を潜める



「・・・そうか。お前は自分が連れて行かれる理由がまず知りたいのだな?」


「!・・・ああ。」



少女は慶を冷たく見た



「お前、自己中心的だな・・・。」


「はぁ?」



「自己中心的だと言っているんだ。学校から逃げるのも自分がかわいいからだろ?」



「・・・・!」


慶は何かをグッと押さえ込んだ


「・・・あのまま、連れて行かれるよりだったら逃げたほうがよかった。」


「そいつらは世界は滅ぶと言っていたのであろう?だったらお前以外の人間は殺されてるかもな〜?」


「なっっ!?」



「行ってみる?臆病者。」


「・・・今度は餓鬼から臆病者かよ。」



慶は苦い顔をした





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