ハードな学園生活!5!
作者: アルミ缶   2009年10月27日(火) 14時17分53秒公開   ID:ov6RKaAr3rc



〜歩の家〜

「えぇ!?澪くんとご近所だったの!!?」


「うん。隣りの隣りの隣りのお向かいさん。」


「マジで!?・・・願ってもないチャンスだわ!ねえ!」


「?・・・何。」



「知ってる?この学園、【スプリング・ラブリーズ】っていう行事があるのよ!」



「すぷりんぐ・らぶりーず??」



「うん!訳せば【春のバレンタインディ】ってやつ!あたしはその日に澪くんにアメをあげたいと思いまーす!」


「なんでアメ?普通はチョコじゃ・・・。」


小雪はふんぞり返る


「実はね、スプリング・ラブリーズはチョコでもクッキーでもなくアメだと決まっているのよ!」


(ハロウィンかっ!)


「それってたくさんもらう人は虫歯になりそうだな・・・。」


「・・・そっかぁ。じゃあどうすればいいかな?」


小雪は頭を抱える


「ここはアメじゃない物にしたらどうかな?たとえば、小雪お得意のミニケーキとか。」



「よっしゃ、そのアイディア頂きっ!」



こうして小雪は澪にミニケーキを渡すことにした


しかし・・問題が一つ・・・



「どうやって渡すの?」


歩がそうやって聞くと小雪は怪しく笑った


「そりゃあ、ご近所の人にあげてもらう他ないでしょ?ってかお願い!」


手を合わせられた


(まぁ別に・・・近所だからね〜・・・。)



〜スプリング・ラブリーズの前日〜


「なぁ頼むよ!お前の手作りが食べてみたいんだよー!」


歩に必死に懇願しているのは勇人だった



「いやだ。その日は好きな人にあげる日だろ?好きじゃない奴にあげるほど、あたしは暇じゃない。」


「どーせ好きな人がいないんだったら、欲しい人にあげたらいいんじゃね?」


歩は勇人を殴りそうになった


「お前だけ女子の中で一番暇だな。」


「・・・。」


本当は小雪のミニケーキを澪にあげるという大事な用事があったのだが

面倒くさくなりそうだったので言わなかった




〜スプリング・ラブリーズの日〜


「うわ・・・。」


小雪に渡されたミニケーキを手に

澪の家に行くと


いるわいるわの女子 女子 女子!


(これ全部あいつのファン?)


しかし顔ぶれを見ると小雪よりは可愛い人はあまりいなかった


(小雪、勝てるかもな・・・。)


すべての女子がいなくなったのは夜の8時


歩は澪の家のチャイムを押した



「はい。」


出てきたのは澪本人


「これ。あたしの友達に頼まれたの。」


歩は澪に無表情で手渡した


「あぁ・・・お前の友達かよ・・・・。」


澪はなぜかため息


「お前は誰かに作ったのか?」

「作るわけないじゃん。(即答)」


「・・・お前って料理はできるのか?」


「少々ね。まぁお菓子くらいは作れるんじゃない?」


「なのに作らないのか?」

澪は意外そうに歩を見た


「うん。作る気がなければお金もないしね。」


「・・・てか、お前も大変だな・・・。友達に頼まれたんだろ?」


「うん。だけど、別に近所だったからいいかなって。」


「あの小雪ってやつか?」


歩は驚いた


「なんで知ってるの!?」


「だっていつもお前と一緒にいるし、お前・・・あいつに心開いてるし。」


「心開いてるって・・・。」


「お前・・・気づいてないだろうが、あいつの前じゃいつも笑ってるぜ?」




「え・・・。」





(気づかなかった・・・。)




「お前も気をつけろよ。人はいつ裏切るかわかんないからな。」

「小雪はいい奴だよ。」


「!」



澪は玄関への通りを開けた


「入れよ。夜だしな。後、虫が入る。」





「でもあたし、そろそろ帰るよ?」


歩は澪に背を向けた



そしたら腕を後ろからつかまれた



「ん・・・?」



歩が何だと澪を見た


澪は驚いたように自分の腕を見た


「あ・・・。」


「何?離してよ。虫入るんじゃない?」



澪はあっけなく離してしまった


「じゃあね。」


歩は自分の家に向かって歩いた






「お前のミニケーキの方が、食べてみたいんだけど・・・・!」





「は?」




歩と澪は再び目を合わせた



「いや・・・だから、勇人がいうような男女の手作りってどんなのかなって思ってさ。」



「言っとくけど、小雪の方がおいしいよ!」



歩はそう言い捨てて自分の家へ歩き始めた






「お前、友達あの女しかいないだろ!友達になってやろうかっ?」


「友達が人数多くても幸せにはなれないよ〜。」

歩は後ろ向きで答える


「多くいないといつか裏切られたらおしまいだぞ!」


「そのときはいい友達を作らなかった自分を悔いるさ!」



「お前変わってるな!」



「何回も言われたことあるっ!」




近所だったので歩が家についても


大きな声で問答を繰り返した





近所迷惑になったのは言うまでもない












■作者からのメッセージ
読んでくださった方々・・・ありがとうございます!

実は風邪ひきました〜^^;

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