意地っ張り子猫シッターさん★Ver4
作者: なぁび   2009年05月14日(木) 00時21分57秒公開   ID:EVYjOHqknDM
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 日曜日。朝8時。

 俺は今から森へ出かける予定。…キノコ狩りとかじゃねーぞ?山菜採りでもないからな。
 今日は気持ちいいくらいの快晴。うん、まさに演奏にはちょうどいいな。
 前にも言ったが俺の夢は作曲家。趣味で曲を作ったりはしている。それで、たまにここ、森に来て、まぁ歌ったり?キーボード持参で。
 ここはいつでも静かだ。風の通る音、風が草木を揺らす音、木々たちのざわめき。静かさの中に自然の音が溢れてる。すっげぇすっげぇ気持ちいい
 そこに共鳴するように、俺もキーボードを設置して手書きの楽譜スコアを広げる。さぁ、俺のステージだ。…客は生憎いねーけどな。



 「♪いつでもどこでも頭の中は 謎 謎 謎 謎 謎ってるのさ…」



 あぁ、この感じ。俺の演奏に、木が草が空がが、自然全てが共鳴してくれてる気がする。なんか、すげぇ思い込み?
 それでもいいんだ。俺は、誰がなんて言ったってこの感じが大好きだから!
 「♪…は〜あぁっと…」
 気分が乗ってくるとついつい周りを忘れて歌ってしまう。




 そう、周りを忘れて――…




 「…せ、生徒会長さん?ですよね?」
 な。な。な。
 「今の歌、会長さんが作ったんですか?」
 な。な。な、んで…





 ここに人がいるんだぁぁー!!!





 「なんていう曲ですか?作詞も作曲も自分でやったんですか?」
 さらに興味を示す…たぶん、俺と同じかそれ以下の年齢(と俺は思う)の男子。
 「…君は何しにここに来たの?」
 「え?散歩ですけど?」
 散歩でこんな所に来るか!そもそもここは俺が偶然見つけた人には見つかりにくい…はずの場所なんだけど。
 「あ、俺は柚木ゆずき ゆえっていいます。1年です。部活は写真部と美術部かけもちです」
 …そんなことは一切聞いてないよ、1年生くん。
 俺はさっさと帰ろうとキーボードを回収に行こうとした…その時。
 「先輩待って下さい!」
 いきなりその1年は俺の腕を引っ張ると俺の顔を自分の顔に近づけ。
 「先輩…」
 「な、何するんだよ!顔近…」




 先輩、超可愛いんですけど!!」




 ――…はい?


 「やばい、先輩超好み♪…あっ、そうだ!先輩生徒会長なら朝会で挨拶毎回してるじゃん!じゃあこれからは寝ないでちゃんと聞いてようっと♪」
 待て。1年待て。待て、待つんだ!!
 「じゃあ俺はこれからちょっと用事があるんで!また明日会いましょうね♪」
 それだけ言うと1年は去って行った…。






 
あれから何日が経ったでしょう。あの時の言葉は本気…だったんだろうなぁ…。


⇒To Be Continued...

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