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作者: メロ   2009年09月17日(木) 23時14分51秒公開   ID:ov6RKaAr3rc

―10年前―


お母さん「ここが今日から翔ちゃんの家よ。」



ある時俺は母親にここに連れて来られた

初めて来る場所に『家』と言われても・・・

今では素直に母親のことを信じていた自分が馬鹿だ


お母さん「よろしくお願いします。」


母親はペコペコとおばさんに頭を下げていた


おばさん「本当にいいのかい?子供置いて働きに出ちまうなんて・・・。」


お母さん「いいんです。」


母親の長い栗色の髪が揺れる


お母さん「また戻ってきますよ・・・。」


そう言った母親の横顔は悲しそうだった

子供の俺はただ母親を見ることしかできなかった























翔(しょう)「あ。」


俺はホコリだらけの本棚から一つのアルバムを見つけた

それをつまみ出したため本棚から大量のホコリが発生する


翔「タイトル【少年の子猫時代】・・・?なんちゅーネーミングセンス。」


開いてみるとそこには自分の幼少期がいた


翔「子猫時代・・・・?」


自らの頭で理解しようとした


(子猫=幼少・・・・・・・・?)


ページをめくっていく

そうするとあいつの写真も出てきた


翔「綾(あや)だぁ・・・・・・。」


おとなしく口数の少ないちっこい姿は昔から変わっていない

小さい頃から一緒で俺の義妹(※同い年です)みたいな存在だった


翔「綾にもみせてあげようっと!」


俺はホコリだらけの部屋を放っておき

綾のいる台所へ急いだ

明日から中学生

その良い気休めにはなるだろう


翔「綾ー!」


綾「翔ちゃん・・・?」


翔「見てくれよこれ!」


俺はアルバムを綾に突き出した

綾の顔が輝く


綾「わぁ、懐かしい〜。どこで見つけたの?」


翔「あそこの古い本棚あるだろ?そこだよ!」


二人は幼少の話で盛り上がる


翔「それで確か綾がお化け屋敷で俺に抱きついて来たんだよな!」


綾「うっ・・・!」


綾の顔が赤く染まる


綾「あ、あの時は怖かったんだもん・・・。」


綾は俯く

次に綾は勢い良く顔を上げる


綾「それで翔ちゃんがお化け屋敷の係員さんに飛び蹴りしたんだよね〜?」


綾は薄く笑う


綾「ちょっと格好よかったけど、ちょっとこわかったんじゃない?あの時。」


俺は胸が冷えるのを感じた


翔「何の話かな〜?あの時はお前が怖いって言ったからやっつけて・・・!!」


綾「言い訳しないしない!」


綾は笑い出す

二人の笑い声は家中に響いた


おばさん「んん?」


おばさんが覗きに来てるのに俺達はまったく気づかなかった


おばさん「こりゃ将来が楽しみだね・・・。」


おばさんがそう言ったことなんて俺等わかるはずないじゃん(意味不だし?)






















■作者からのメッセージ
母親がいない少年だぁ!!

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