もう一人の旅人 1
作者: 蘇芳   2009年09月11日(金) 21時02分21秒公開   ID:ov6RKaAr3rc

あぁ・・・・
この世界は美しいのだろうか・・・?

ある若く細い旅人は言っていた
「それ故に美しい。」と・・・

自分はあの人に助けてもらってから
ずっとあの人の背中を覚えている

そしていつかあんな風になろうと
心の底から思っていた・・・

あの雨に濡れた背中に
追いつこうと思っていた・・・








〜1〜 毎日雨の国<前編>








(雨・・・・・か??)

私はいつも雨が降るとあの人のことを鮮明に思い出せる

私が10歳の時
助けてくれたあの手





―旅に連れて行って!何でも言うこと聞くから!―


どうか私をこの家から解放して・・・?


キ「無理ですよ。」

エ「そうだね、無理だ。」


あの人が言った後にモドラドも続けてしゃべる






「どうしてですか!?」



エ「どうしてって・・・・ねぇ?」

キ「無理なものは無理だよ。席に空きがないしね。」



「じゃあ5年後にまたここに来て!迎えに来て!」



キ「生憎ですが、僕らにそんな余裕はないのです。」

エ「諦めなって。」




―じゃあ私から行きます!5年後になったら私があなたを・・・!!―










「探してみせます・・・。」

私はつい口に出してしまった

ア「主人?」

自分を気にかけて話してくれるのは

鷹のアッシュだ

「なんでもないよ。行こう。」

私達は森の中で途切れ途切れの会話を繰り返していた

ア「主人。」

「ん?」

ア「会えますでしょうか・・・・?」

「・・・いつかね。」

会話がまた途切れる

その後は無言で森を歩き続けた

私は漆黒のバギーを引っ張り
アッシュは少量の荷物を背中に乗せて・・・

「!」

私はうっすらと見える町を発見した

「町だよ。」

ア「本当ですね!ご主人!」

アッシュは喜びを表現するかのように私の周りを飛んだ

「ここからあそこまではバギーで行くか。付いて来れるか?」

ア「はい!」

すさまじいエンジン音と共にバギーは時速120`で一直線に砂漠を駆けた




急ブレーキをかける

砂が一気に舞った

「急ブレーキをかけない方がよかったかもな・・・。」

私の服は砂まみれ

いやこれは・・・

ア「主人・・・泥まみれですね・・・。」

砂漠に水分などあるのか?

私は辺りを見回す

砂漠方面は乾燥地帯

国門の方はなぜか湿っていた

ここまで違うものなのだろうか・・・

「入ってみよう。」

門番もいないようだが一応入る前に一声かけた

「すみません。どなたかいらっしゃいますでしょうか?」

辺りは静まりかえっている

花壇など人工の物があることから人は必ず住んでいるはずだった

「えっと・・・いないはずは・・・?」

村人「旅人の方ですか?」

「!・・・はい。この国に少し滞在しようと・・・。」

村人「その前にアンケートを取ります。この国は好きですか?」

「・・・は?」

今来たばかりなんですけど・・・

村人「イエスかノーでお答えください。」

「えっと・・・。」

私は驚きを隠せない

「イエス?」

そう答えた時だった

ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

いきなり雨が降ってきた

「!?」

ななななんだぁ!!!

村人「あなたの答えはそれでよろしいのですね?それではごゆっくり。」

雨がザーザー降っており一人置いていかれた私

ア「主人・・・。」

「入国してもいいってことだよね・・・・?」

私は足を中に入れる

村人「わぁ!旅人さんだわ!」

村人「いい人そうだ!どうだい?今日はうちに泊まって行けば・・?」

村人「私の家にも泊まらない?」

村人がぞろぞろ出てきた

ア「主人・・これは一体・・・!」

「私にもわからない・・・。」

そう悩んでいたときだった





子供「うちに泊まりなよ!」

「!」

そういって一人の女の子が近づいてきた













■作者からのメッセージ
どうか読み続けてください!!ozs

■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集