かぐや姫 〜夏姫 みの&なぁびのコラボ〜
作者: ななみあ   2009年09月06日(日) 12時43分04秒公開   ID:I3pQytENAQc
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むかーしむかし……とは言っても現代。あるところに、学生さんがいました。
一人はスポーツ万能、もう一人は読書が大好きな男の子がいました。
一人の少年の名は日向 陽ひなた よう、そしてもう一人の少年の名は中嶋 奏多なかじま かなた
この二人はまだ知らない。












次の瞬間、新たなる物語が始まることを












「あ、なんか光ってる」

陽は走っていった。奏多も陽の後についてく。そしたら

「なにこれ、箱……?」

陽は竹(?)で作られた容器(箱)を見つけた。開けてみると…

「うわっ! まぶしっ!!」

目もくらむような光が放った。そして

「これって……」
「赤ちゃん?」

一人の女の赤ん坊が容器に入っていた。
今は、まだ眠ってるようだ。

「なんか、見てはいけないものを見てしまった気がする」
「パンドラの箱」


 陽と奏多は、それぞれ感想を口にした。そして、あっさりスルーしてしまいました……。




「明日って部活ミーティング何時からですか?」
「あーっと……明日は4時から」
「じゃあSHRショートホームルーム終わったらすぐ行きますね」

二人の口数は少ない。交わす、といっても他愛のない会話。
趣味の話もしたことがないし、家族や友達のことについても話したことはない。



そもそも奏多は本当は天文部で、今助っ人にきているだけだから。



「……あ」

陽が不意に立ち止まった。そしてある一点を指さす。

「…なんですか?」

 奏多も視線を向けてみると、そこには白い兎が、おなかをすかせた様子で丸まっていた。

「おなかすいた……」


ぐーぎゅるるー……


とお腹も鳴っている。

「ああ、こんなときに姫がいればいいのにぴょん。したら、にんぢん500本食べさせてくれるのに……。姫をさがして3000里…だぴょん……」

「この兎、しゃべる」
「奇妙な兎だ」


陽と奏多は驚いた様子で言う。しゃべる兎なんて、見たこともなかったからだ。

「ニンジン…そういえば食べ切れなかったから……いる?」

陽は、弁当箱を開けながら兎に言う。

「あ、いいんですか?! ありがとうございますぴょんっっーーー!!!!」

兎はあっという間に、陽のお弁当箱に入っていたニンジンを平らげた。

「助けてくれて、ありがとうだぴょん!」

さっきまではしょんぼりしていたのに、今ではすっかり笑顔。現金なものだ。

「そうそうお礼に……」


何かいいものくれるのか?



陽と奏多は半ば期待していた。

「……居候させて欲しいぴょん!」

二人は半ば殴りたい衝動にかられる。が、9月は動物愛護週間がある。ぐっと我慢だ。

「まあ、仕方がないな。あ、そうだ。オレの彼女だったらなんとか……」

陽はケータイで連絡をとった。

「あ、いいのか? わかった。すぐそっち行く」
「どうだった?」

奏多は陽に聞く。

「いいらしい。なんか「兎が好きだから!!」とかで」
「わ〜い! うれしいぴょん!!」

無邪気に兎は笑顔で言う。

「というわけで、家に来たけど」
「ほぇ〜〜〜っ!!! 大きいぴょんっ! お城だぴょん!」

 陽たちが、たどり着いたのはお城みたいな家。確かに大きい。インターホンを陽は鳴らした。



ピーンポーン……



「あ、陽と奏多くん。家の人……留守してるから、私しかいないの」

 茶色い巻き髪、透き通った青い瞳――名前は草柳 叶氣くさやなぎ かなき。叶氣は花壇の水遣りをしていた。

「あ、そういえば……これ、兎だけど」
「あぁ! これが兎さんね! カワユスーー♪」

兎は叶氣に飛びついた。



「……間違いないぴょん!! 姫だぴょん!! 叶氣姫様ーーー!!」



「…………は?」

3人はその場で凍り付いてしまったように、固まってしまった。

「ひ、め……?」

姫と呼ばれた張本人も、ウサギを抱えてきた二人もその場で絶句していた。

「姫って……君?」

陽が叶氣を指さして言った。

「姫? やーそれをどうこう言う以前に私、このウサギ知らないから何とも」
「でも、ウサギはお前を知っている」
「私が間違えるはずない! ぴょん! 私、奏実かなみだぴょん!」

兎は言い張る。叶氣は全く覚えてない。

「……ヘンな夢とか見てないかなぁ? 兎さん」
「見てないぴょん!! 間違い無いぴょん!!」

兎は言う。叶氣はこう思っていた。
う、兎さん可愛いけど姫って……。あ、姫って宝石の姫様ジュエルプリンセスのことを指してるのかな? ※違います

「姫は姫でも……違うと思うよ」

叶氣は言う。皆黙る。

「宝石の姫様だったら私だけど、かぐや姫はお話だよー」

陽と奏多はうなずく。兎は

「宝石の姫様でも姫は姫だぴょん!!」

と言い張る。なんか違うような……。

「とりあえず、家で面倒見るね♪ ありがとう! じゃあね、陽、奏多くん」

2人は行ってしまった。



……さて、どうしようか……。



「ぜぇ〜〜〜ったい姫だぴょん!! 間違えるはずないぴょん!!」



……しゃべる奇妙な兎は「姫」だと言い張るし。



「私は宝石の姫様だよ? かぐや姫はお話だよ?」
「だから、姫は姫なのだぴょん!! ささっ、月に帰りましょう!! 月に住む人々がお待ちなのだぴょん!!」
「そう言われてもねぇ……」

叶氣はうなった。
 確かに、私は宝石の姫様のはず――。今まで陽たちに、そう言われてきたんだもん。その兎が言う「姫」とは違うハズ。

「……じゃあいっそ夜まで待つぴょん!」
「よ、夜?」

そう言ってウサギはそのまま中へは入らず、外で待っていた。

叶氣が何度も何度も「寒くなるから中入ろう?」と言ってもウサギは頑固だった。


――まったく、姫姫って……なんなのよ……?


そうして夜までウサギは中には入らなかった。

今宵は満月。
くっきりと月が姿を現す、その瞬間まで。





☆   ☆   ☆




とうとう、月は満月を現した。雲が晴れてくっきりと。
その月光が、叶氣の顔に当たる。

「……ん? 月の光……何……?」

叶氣は月の光に当たり…



「……そうですわ。私は月に帰らなければ……」

かぐや姫になった。
ここで説明しよう! 叶氣は満月の夜になると、かぐや姫になるのだーー!

「姫……戻ったぴょんーーーー!!!!」

兎はかぐや姫の腕に飛び乗った。

「あら……兎さん。どうしたのです? まず、なんでこんなところに……」
「えと…長くなるので後にするぴょん!! そんなことよりも、早く月に戻るぴょん」
「そうですね。では、月へ……」


叶氣を知る人々の記憶を消しながら、かぐや姫は月に飛んで戻ってしまいました。
ふわりと月の光に包まれながら――。







ちなみにその後のかぐや姫


「……えと……。酔った勢いで、地球に一人舞い降りてしまった……?」
「そうだぴょん!! 姫は人騒がせな人だぴょん!!」




お酒は20歳になってから……だぴょんっ!   by奏実





おわり☆



⇒To Be Continued...

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