意地っ張り子猫シッターさん★Ver10 | |
作者: なぁび 2009年06月11日(木) 21時40分58秒公開 ID:pmud94lalfY | |
月は、図書室にいた。 心臓が、今にも破裂しそう。破裂しないことを願ってゆっくりと図書室のドアを開ける。 「…え、と、李玖先輩…?」 月が反応して入口に立っている俺の方へと振り向く。 俺の緊張はMAXにまで達した。 まずは、謝らなくちゃ。言い訳って言われてもいい。 本当は、あんなこと――…。 「月、あの…この前、いきなり怒鳴ったりしてごめん」 月は、何も言わず黙って俺を見つめていた。 「今更こんなこと、って言われてもしょうがないけど…どうしても聞いて欲しいんだ。…あのさ、俺、月のこと…っ!」 好きです。好きです。…好き…! 「俺、月のことが…月のことが、大好きです!!」 言った…!! 心臓が破裂しそうなほど激しく鼓動しているのが嫌ってほど全身に伝わってくる。 「先輩…?」 月は口を開いた。 耳をふさぎたいけど、でも、それじゃ今までの自分と何も変わらないじゃないか? この後に来る答えが、たとえ、俺の望まない答えだったとしても…。 でも月は何も言わなかった。ただ、じっと俺を見つめているだけ。 俺はそろそろじれったくなって、行動に出ることにした。一種の賭け。 俺は頭を上げて月の顔へと手を伸ばし…顔を近づけ…。 俺から、月へ、キスをした。ちゃんと、想いが伝わるように…これは本当だよッて示すために…恋人同士がするように、唇へ。 そしたら…月から…今度は月からキスが帰ってきた。今度は俺が押される番。 背中に回って来た月の腕に身を預け、俺たちは長くて甘い、キスをした。 そんな長くて甘いキスの後に月が言ったのは。 「先輩、俺、何度も言ってるけど…先輩のこと、大好きだよ」 キスよりも何倍も何十倍も何百倍も甘い、告白の返事。 俺は気が抜けて、その場にへたり込んだ。 「ふっ…わあぁぁ…!!ああぁぁぁ…」 なんだか、嬉し過ぎて涙が出てくる。 「わっ、先輩、大丈夫ですか?!なんで泣くんですか?!」 「嬉しくても人は涙が出るのー!お前なんか…お前なんか…ひっく」 「…俺なんか、なんですか?」 「…悔しいけど…大好き。だから…ひっく、責任とってもらうからな!じゃないと許さないっ!わあぁぁ…」 俺が、意地っ張り子猫なら 君はそれを簡単に手懐けてしまう 有能なシッターさんだよ☆ ⇒To Be Continued... |
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