交差する彼らの居場所 第二章『解放』 | |
作者: 悠蓮 2009年05月24日(日) 00時00分55秒公開 ID:XnxKweJ8Y8w | |
あの後、騒ぐ獣を無視しながら彰人は家に帰った。 獣を床に置く。 『まったくもう少しやりようがあるだろうが!』 「うるせえ。お前が人のこと何度もバカっていうからだろうが」 『それは貴様が……。って、貴様名はなんだ』 今思いだしたように獣は彰人に問う。 「あ? ああ、彰人だよ。東条彰人」 『アキトか。そういえば貴様親は?』 「旅行中。今からテキトーに夕飯作るけどお前もカレー食う?」 『あぁ。それでかまわない』 「あそ」 それだけ聞くと彰人は台所へ向かう。 「あ、そういえばさ」 『……なんだ』 「お前、名前は?」 『ヴェル。ヴェル・シュバッサー』 立場の違う者たちの居場所が交差する。 しかし、たとえ同じ場所にいても彼らは違うものを見るだろう。 それが良いことなのか悪いことなのか、それは体験した彼らだけが知るところだろう。 |
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