BLADE OF SWORD 第十五夜
作者: 清嵐青梨   2009年05月18日(月) 22時41分00秒公開   ID:L6pfEASBmTs
セイバーとの朝食を済ました後、いざ登校するかという時間になった頃セイバーが学校まで同行しようとしたところをタイミング良く凛がやってきて一緒に登校しようという話を持ちかけられたところ、桜の表情が歪んで非常にショックを受けた様子で、彼女は一人で衛宮邸から学校へ向かっていった。

無論俺は如何しようか迷ったのだけれど、結局彼女の後を追ってそう距離が離れていないところで彼女を見つける。桜は意外そうな表情をしたのだが直ぐに消え入りそうな笑みを浮かべ、高嶺先輩は優しいんですね、と言った。




「そう…?気のせいじゃないかな」

「そんなことないですよ、この頃先輩妙に私に優しいんだなと」

「そりゃ…女の子一人で登校させるのも心配だし、それに桜みたいな子を自分のものにしたい奴がいるなら絶対に男一人付き添うのも良いかなーっと。いざとなったら木刀でスパーンッと」
「先輩らしいですね……そういえば先輩、今日の夕飯は如何ですか?ご一緒に」
「良いの…?じゃ、お言葉に甘えさせていただこうかな。それじゃあさ一緒に買い物し乍ら士郎の家に行かない?」
「良いんですか?先輩今日喫茶店のバイトじゃ…」
「あぁ、それなら良いさ。喫茶店には休みを貰ったから全然大丈夫」
「そうですか…それじゃ、部活が終わったら校門で待っていてください」
「うん待つ待つ」




歩き乍ら夜の予定を埋め、そして桜の笑顔が再び見れたことで一気に気分が晴れやかになった。真逆凛があそこで乱入するとは思っても見なかったのだが、士郎の奴…何時凛と交流するようになったんだ?
って、言われなくても何となく予想はついているんだけどな…。要はサーヴァントに襲われる士郎の待遇は俺と同じっというわけだ。但し助けて呉れたのは凛ではなくランサーだけど。

だけどあの凛と同盟を組むとは…凛の奴如何いう風の吹き回しなんだか…。理由はともあれ今朝の二人の掛け合いからしてお互い和解し合っているように見えた。これからは当分マスター同士の殺し合いはないだろう。
それならそれで安心するのだが、どうもしっくり来ない。そもそも凛との同盟は士郎の他にも葛木先生にだって普通に有り得る筈なのだが、何故凛は先生ではなく士郎を選んだのだろう。昼休みの合間を縫って凛に士郎と同盟を結んだ理由でも聞こうかな。


でも残念。昼休みは士郎に用があるからと言って折角の誘いをキャンセルしたのだ。凛自身から誘いを断るのは珍しかったのだが、余程俺には内緒の話をしたいのだろうが、それならそれで仕方ない。

だけど此方とて今後の行動を如何しようか考えなければならない…。俺は昼休みこっそり学校から抜け出して坂道にある桜の木の下で腰を下ろすと、もう霊体化解いてもいいぞ、とアサシンに向けて言う。
彼は命令に応えて霊体化を解き実体化すると未だ蕾になっている桜の木を見上げ、たまに此処へ寄るのか、と聞く。




「本当に極たまにだよ。でも春がまじかに迫ってきているから最初に桜の開花の時機になったら来ようかなって」

「ほぉ…此処の桜はそんなにも綺麗なのか」
「あぁ、そうだけど…お前も見たいのか?桜」
「是非一度だけでも拝んでみたい…。聖杯戦争が終わったらユウと共に花見をしようかと思ってたのだが、悪くはなかろう?」
「うん…確かに悪くはないな。じゃ、この戦いが終わったら一緒に見に行こうか」




俺はちらりと見上げピンク色の蕾を一瞥してアサシンが言った言葉に同意すると、彼はその木に背中を預け、却説今後の作戦について話し合おうではないかマスター、と俺に視線を向けて言った。
この分だと午後の授業は完全にサボリ決定だな、そう思いつつ冬の青空を見上げて如何いう作戦で行こうか策を練った。
■作者からのメッセージ
※桜をもっと目立たせたかったため、構図的にはちと悩みました。

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