アナザーワールド プロローグ〜威吹灯夜の場合〜 | |
作者: Leaves 2009年05月17日(日) 17時14分15秒公開 ID:7iHDpw6MXjo | |
しかし、帝という立場は、あまりいいものではないらしい。 個人差はあるだろう。しかし、彼の場合は喜ばしい事ではない。 彼は元々、騒がしいのが嫌いなのだ。 帝という立場で騒がれるのが煩わしい。 だから彼は、澪が帝、黒帝であることを誰にも明かしていない。 元々一人でプレイしてきて、フレンド登録など誰もしていないのだから、バレる事はないのだが。 彼は、黒帝としてのプレイは、極力控えるようにしている。 そうでないと、他のプレイヤーと対等ではないからだ。 そしてなにより、楽しくない。 ほとんどのプレイヤーが、戦闘に参加せず、ドロップアイテムだけ持っていくという行為をする。 それが嫌いなのだ。 ゲームは楽しくプレイするもの。 それが彼の考えである。 ゲームを荒らす者がいれば、彼は黒帝躊躇いなくPKする。 それが当たり前だというように。 「さて、今日も行くか。」 先ほど、彼は家に帰ってきた。 家についてすぐ、パソコンの電源をつける。 デスクトップ上の、アナザーワールドをダブルクリック。 RPEを装着し、自分のキャラクター、澪を選択する。 少しだけ待ち、もう何回も目にした定例文が表示される。 ”ようこそ、澪” 物語が、今日も始まる。 |
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