裏版人魚姫前編
作者: 真佐人   2009年05月14日(木) 14時01分15秒公開   ID:LjOpF6jSo/I



ここは、何処かの海の中、魚達が泳ぎ回っている場所でもある
これは、一人の人魚姫のお話である・・・
ある所に、下半身が魚で上半身が人間の人魚と呼ばれる者達がいるのでした
その仲間達の中で権力のある者がいました・・・
それは、人魚姫と呼ばれていたのでした・・・

「う〜み〜は、ひ〜ろ〜い〜な、お〜お〜き〜い〜なですね〜」


海の歌を歌っている一人の人魚がいました
その名前は、人魚姫と言って、美しく可憐であるのだけど、彼女は色々な意味で凄い人魚なのでした
それは・・・


「はっはっは!今日で二十人切りだぜ!どうだ!」


「やめて下さい!人魚姫様!」


「何〜?俺に逆らうのか〜?」


「そうじゃなくて!もうやめてください!」


ちなみに今の状況は、人魚姫が敵対しているシャチ族と喧嘩をして二十人切りしたそうです
この人魚姫・・・どうやら性格が変わるようです。


「今日も・・・疲れたぜ・・・俺は寝る」


「人魚姫様・・・この性格じゃなければ人気あるのに・・・」


人魚姫は、疲れて寝ちゃったのでした・・・
人魚姫の父親、王様が言うには


「人魚姫ももうちょっと大人しくしてれば、良いのに・・・」


王様は、いつもそう思っているのでした・・・
そんなある日、海上に一隻の船がやって来たのでした


「・・・あれは・・・何でしょう?」


今の人魚姫は、優しいモードのようです。
人魚姫は、性格が変わるので、周りの皆からは表モードと裏モードと名づける事にしたのでした


「今の人魚姫なら、いいんだけど・・・」


人魚姫の下僕?の魚人は、ため息をついてそう言ったのでした


「ちょっと行って見ましょう・・・・」


人魚姫は、船が浮かんでいる地上へと泳いだのでした・・・
その頃
地上では、こんな事が起こっていたのでした


「王子、この海域は幻の人魚がいると言われてますぜ!」


「おお、誠か?なら・・・その人魚釣り上げて見せる!」


王子は、いきなり何処からか釣り竿を取り出し、釣り針に針を付け
そのまま海に放り投げたのでした
まさか、こんな行動に出るなんて・・・王子も大分性格変わってる〜


「人魚姫様・・・」


「どうしました?」


「何か背中が痛いんですけど、解りますか?」


「どうしたの?ちょっと見せて?」


人魚姫が、魚人の背中を見てみると、背中に釣り針らしき針が刺さっていたのでした


「ん?これは・・・」


その頃


「お!掛かったぞ!」


王子は、当たりが来たと思い、思いっきりリールを巻いたのでした



「うわ!人魚姫様!」


魚人は、ぐいぐい引っ張られ、地上に上がって行くのが解ったのでした


「魚人〜!」


人魚姫は、魚人の跡を追いかけたのでした・・・
一方地上では


「お、何か釣れたぞ!これは・・・」


王子は釣れた物を見て驚いたのでした


「これは、幻の人魚ですぜ?まさか本当にいるなんて・・・」


その時、もう一匹の人魚が現れたのでした


「貴方達が、この下僕を釣ったんだな!」


「え?私って下僕だったの・・・」


魚人は、凄く落ち込んだのでした


「また、人魚が現れましたぜ!王子様!これは捕まえるチャンスです!」


「・・・良し、この雑魚はいらん!こっちの人魚だけ貰い受ける!」


王子は、人魚姫の方を指差して言ったのでした


「私・・・今度は雑魚扱い!?」


魚人は、また凄く落ち込んだのでありました


「俺を貰い受けるだと?笑わせてくれる!」


人魚姫は、どうやら裏モードになっているようです


「勝負方法を決める!」


「は?」


王子は勝手に指示をして、勝負方法を言うのでした


「まず、これを持って私と闘う」


王子は、懐からサーベルらしき物を取り出し、人魚姫に投げた


「え?」


「それでやりあって勝ったら、お前は私の物だ!負けたらいざぎよく諦めよう!」


「王子?何言ってるんすか?」


人魚姫は、一旦考えてこう言うのでした


「いいだろう!この勝負受けて立つ!」


「なんか話の展開が変に・・・と言うか私・・・存在感薄!」


魚人は、ぶつぶつと文句をいいながら、とりあえず今の光景を
眺めてみる事にしたのでした・・・


後編に続く


■作者からのメッセージ
真佐人です。昔話シリーズ第四作目、人魚姫を投稿いたします。
長くなりそうなので、前編後編に分けて投稿したいと思います。
感想下さった方、ありがとうございますw
近いうちに後編も投稿したいと思います。

■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集