―最強者達の物語―Xページ
作者: 零   2008年12月31日(水) 10時58分25秒公開   ID:NqbpUpPD62U
雨は 嫌い



 あの日の記憶が 蘇ってしまうから





  


  ―最強者達の物語―
    Xページ







 雨が 降っていた。


 これから任務なのに・・・と高良は溜息をついた。


 「ま,どーせ汚れるし」


 
 そう言ってテレポート。


 
 眼を開けると前には豪邸。

 
 任務の内容はとある組織を潰してほしいとの事で。
 依頼者は其の組織の敵対組織。

 
 今日は此の組織のボスの娘の誕生日。
 誕生日という事でセキュリティも部下の警戒心も緩んでいる。

 未來に頼んで裏口の鍵を解除して貰う。


 「(未來―・・・)」


 「(了解♪)」


 耳を研ぎ澄まし,鍵の開いた音を探す。
 絶対にタイミングを誤ってはいけない。


 ・・・カッ



 ほんの少しだが,金属の掠れる音が聞こえた。


 「・・・よし」



 高良は慎重に裏口を開ける。


 幸いにも音はしなかった。



 其処には男が1人。


 「まずは1人目・・・」


 ザッ・・・!


 男は倒れた。




 「話に聞いた通り・・・弱い」

 
 此の組織は規模と人数が大きいだけで,

 其れなりに強い奴はいないらしい。



カツ・・・カツ・・・



 「此処が会場か・・・」


 
 正面突破は難しい為,高良はジャンプして屋根裏部屋に入る。


 床には穴が開いており,其処から会場の様子を見る事が出来た。



 「邪魔な奴から殺ろ・・・」


 高良は毒針を数本投げた。



 全員毒針に掠った様で,倒れた。
 
 恐らく,絶命しているだろう。
 

 針が肌に掠れば死ぬ。
 即効性なので此の針から逃れた者はいない。


 まさに化け物。



 ボスは全員が殺されている事に気づいた様で娘を庇う様に前に立つ。


 
 「何者だ!出て来い!」


 

ヒュンッ・・・



 「出て来いと行って出て来た奴はいないよ?」


 あ,もう死んでるか。



 高良はワイヤーを使って毒針をボスの所に飛ばした。

 
タンッ


 
 「バイバイ」


 
 高良はテレポートで去った。


 娘は安堵した様な顔になったが,其れも絶望に変わる。


バアアァンッ!!


 
 会場が爆発した。



 



 
 


 「んでガス爆発により全員死亡っつー事で」


 「はぁい御苦労サマァ♪」


 高良は未來に今回の報告をしていた。


 「あそこ暖房が古かったからさ」


 「紅夜はそーゆー事しないと駄目だもんねぇb」


 そう,紅夜に入ったからにはそう見せかけないと駄目なのだ。

 自然死やあるいは殺した事に気づかれない様に・・・


 
 「あたしはそういうのしないけどぉー?特殊部隊がやってくれるモン☆」


 「私,元・特殊部隊だからねー。そういうやり方が染み付いちゃって」


 高良は薄く笑った。



 


 
■作者からのメッセージ
作者からのメッセージはありません。

■一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集