君と僕の傷痕。U
作者: ゜.+エル+.゜   2008年11月19日(水) 11時12分45秒公開   ID:CbpH57ulev2



                      その夜。
                   





                   「おやすみなさい、お母様」
                  カレンはそう言ってから寝室に向かった。
 
              母親は夫に渡しそびれた手紙を届けようと、夫の自室に向かった。










                    「可愛い子ですわ、奥様によく似て」
                    夫の自室にはある娼婦が居た。                           
              「美しくて、上品で、賢い。高級娼婦の条件がそろってますわ」
                    美しく、気品のある、下級階級の、


                      …メイドのアネリアが。


                     「何が言いたい、アネリア」
                   カレンの父親、ウィルヘルムが言った。

                  するとアネリアは、背後から彼に抱きついて。
                 「提案しているのですわ。 …カレンお嬢様を娼館に」


              


                      娼館――。
 
                 そもそも娼婦とは、金のない家の娘がなるもの
             
                 簡単に言えば自分の体を売って金を貰う―売春婦の事

            
                 その娼婦たちが暮らす、買い手の指名を待つ所が娼館





          



                 「あんな幼い娘をあそこが買うのか?」
 

                「勿論ですわ。最近では小さい子も人気ですのよ。
                 おまけにお嬢様なら将来高級娼婦になりますわ。」







                

             



                   娼婦にも階級がある


              下級娼婦、雇用娼婦、パトロン付き、そして高級娼婦。



                  


                     高級娼婦――

                 美しく、政治、芸術などに通じている必要がある
             下級娼婦には認められていない人としての権利を認められている

                  余程の金持ち貴族の相手しかしない―


                    選ばれし最高の娼婦








             


 
                    「どうでしょう?旦那様?」
         
                「お嬢様なら相当な額で買ってくれますわ。」



           「奥様のことも、準備は整っていますわ。一介のメイドと居るのでしたら...」




             

                    「わかった、カレンを売ろう。」







 


               


                    その時、ドアが開いて。





                  「貴方、今なんて…?」
                 カレンの母親、グレイスが其処に立っていた。

  
                   「今晩は、奥様」
                
                   「貴女は… アネリア…!?」
  
                 昼間の、肌を殆ど隠したメイド服姿とは一変して、
                 今はガウン一枚のみ。

               その格好から、グレイスは彼女と夫が何をしていたのか察する。



                   「どういうことなの…?アネリア…」



                  「そうですわね、最後だからお教えしますわ。
                   簡単に言うと、私は元娼婦。
                   旦那様に買って頂いて、この家で働いていましたの。」





              


                  「アネリア、準備が整っているといったな?」
                 「ええ、旦那様。雇っておいたので、もうすぐ来ますわ。」




                   「え・・・?」











                  「さようなら、奥様。」
















                   



                      其の頃。


                   カレンはまだ眠れずにいた。
                   何か、物音がする・・・




                     「・・・?」
                  気になったので、窓の外を見てみる。
                



               
                  すると、数人の黒衣の男に囲まれた母親が。
          
                   体中から血を流し、


                


                




                  崖へ突き落とされた―――   
                    












                

  

■作者からのメッセージ
娼婦の説明がわかりづらくてすいません(;_;)
次回はカレンさんに色々出会いがあります。
予定ですが(ぇ


ここまで読んでくださった方、有難うございました*

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