STILL TIME
作者: 白夜   2008年05月22日(木) 21時57分55秒公開   ID:QGsO1NMPKs.
僕が生きるのは何の為?

いや、生きてるか死んでいるかもわからない世界。

あなたは振り返って笑ってくれることも無くて

気づいてよ。僕らはゲームに遊ばれてるだけなんだ。

STILL TIME 番外編

ねえ、千尋姉ちゃん。シェルガとジュカイは僕の親なんだ。

千尋姉ちゃんの服にべっとりとついた、母さんの血。

涙があふれてる。

嘘じゃない。本物の涙。

「姉ちゃん...。」

僕はそっと姉ちゃんの手を掴む。

手はすごい震えている。

「ご・・めんなさ・い。ごめんなさい...。」

何があったのかは僕にはわからない。でも、「母さんは死んだ。」

その日、僕らは川近くに野宿をすることになった。

千尋は2人にも何も喋らない。

ただ、ただ、ごめんなさいと言って震える。

「姉ちゃん。」

「ヘル...。」

初めて呼んでもらったような気がする。

千尋は何も言わず僕をぎゅっと抱きしめた。

「ごめんなさい。何にもできなかった...。
あなたのお母さんを・・・。見殺しにしてしまった。」

「もう。いいから…。」

「良くないよ。あなたのお母さんでしょ?
私は何一つ守れなかった・・・。」

「違う。違う。」


「守ってくれたよ。千尋は。」

生きていてくれた。死なないでくれた。

もしかしたら、母さんの死も知らずに僕らは消えていたかもしれない

「ありがとう....。」

そっと呟いた。


生きてるか死んでいるかなんてわからなかった。

ゲームが終われば僕らはいない。

でも、また同じ世界を繰り返す。

イヤになるぐらい眼を閉じた。

血が吹き出て

仲間が死ぬ。

それでも僕らは生きていたい。

「助けて...。」
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