STILL TIME
作者: 白夜   2008年05月14日(水) 21時17分06秒公開   ID:QGsO1NMPKs.
「生きたい」「生きたい」

彼らの望み。

彼らの悲しみ。

私達にはわからない「恐怖」

STILL TIME

「ッジュカイさん!!」

敵だ...。彼らが...、彼らがジュカイを殺ったんだ...

「うわぁぁぁ!!」

私は近くにあった棒を拾う。

ガゥンッ

「あ...。あ...。」

右腕に弾が掠れる

そして、無差別に打ち始めた。

何故か急所には当たっていない。
まるで威嚇したように....。

「・・だめ・・・。逃げなさい。逃げなさい....。」

「ジュカイさん!!」

必死に私の腕を掴む。私の血でとジュカイの血が混ざる。

「・・ゲーム。なの...。もう変えられないの。駄目なの...。駄目なの...。」

私が抵抗を止めると奴らは静かに銃を下ろす。

「こいつらには...。勝てない。絶対・・・。だから、あなたは・・・あなたは・・・・。」

「・・・ま・・た・・・。」

涙があふれる。

「また、変えられない・・・。また、私の目の前で誰かが死んでいく...」

止められなかった。私は「主人公」なのに...
見殺しにしてしまった。私は傷つかないから。

「助けられないなんてイヤだよ...。もう、イヤだよ...!私は。私は!!」

ジュカイは私の口をふさいだ。

「もう少ししたら、奴らは攻撃を始める。逃げなさい。此処から全力で。
大人しくしていれば助かるから。」

「ふ...かい・・しゃん...。」

「助けてくれるんでしょ?」

「ふ・・かいしゃん...。」

「ありがとう。」

ジュカイは私の背中を押した。

「私はあなたに助けられたから...。」

小さなかすかな声でジュカイは私に告げた。

ガゥンッ

銃が響き渡った。

私は逃げた。
逃げることしかできなかったから。
自分の不甲斐なさに笑ってしまった。
涙があふれた。
「ごめんなさい...。ごめんなさい...。」

走ってるとき私の肩や腕から血が溢れ出した。

でも、でも・・・。私は走りつづけた。

きっときっと。私はまた寝てしまうんだろう。

ずるかった、そうやって私は逃げているから。

だから、皆を助けられない。

強くなりたい…ッ

「千尋!!!」

どのくらい走っただろう。

まったく、わからなかった。

体はフラフラで服は血まみれになっていた。

光は私を支えてくれた。

私は自分で立てると光に告げたが無視された。

「千尋...。ジュカイは・・・。ジュカイ・・・は。」

シェルガはきっと解ってるちゃんとだけど...。

「助けられなかった...。また助けられなかった!!」

「ごめんなさい!!ごめんなさい!!」


時間を元には戻せない。
死んだ人は生きられない。
私は誰も救えない。
■作者からのメッセージ
あー、やっと続きがー今回も結構好きで一人で泣いちゃったよー
次回...。

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