STILL TIME
作者: 白夜   2008年05月06日(火) 21時33分50秒公開   ID:QGsO1NMPKs.
ああ・・・。

また、今日が来た。

どんなに笑っても泣いても明日や明後日はこない。繰り返される世界。

STILL TIME

「此処を出る。」

シェルガが昨日僕達アジトにいる皆に告げた。

「明日此処に...。嫌、ゲームのイベントが来る。
今から出ていかんと皆殺しに会うじゃろう。」

子供達は無表情でシェルガを見てる。

「食料、武器以外は置いておく。今日中に荷をまとめる。」


「ねえ・・・。」

リンレイがシェルガに話し掛ける。

「やっぱり…。さぁ。あたし達、踊らされてるだけじゃない?
今までだって此処を抜け出して駄目だったじゃん。」

パンッ
 
シェルガがリンレイの肩(ギリギリに当たってない。)に弾を放つ。

「これは戦争なんじゃ。誰も死んで欲しくない!だから、やらなきゃだめなんだ。」

「・・でも!!それじゃあ!!」

バシッ

「従いなさい。絶対に逃げられないんだからッ!!」

ジュカイは少し震えてる。

リンレイは扉に駆け出した。

僕は咄嗟に嫌。何故かリンレイを追いかけた。

「リンレイさん・・・・・???」

派手な彼女には似合わなかった。花畑の墓地だった。

リンレイは泣いている。体を蹲って表情は良くみえないが泣いてるんだろう。


「・・・いつになったら・・。抜け出せるんだろうね・・・。」

やっと、喋りだしたと思ったらまだ涙を流していて、

「わたし・・・。お父さんとお母さん。ゲームの中で死んじゃったの。」


「だけど、生き返れなかったの。バグのせいだってシェルガが。」

「バグ...。」

「繰り返されるんだったらそれでも良かった。2人が居てくれるんだったら良かった・・!」


「ずるいよ。ヘルとか。皆。」


「あの二人の娘だったら良かったのに・・・!」

じっくりとリンレイの言葉が理解できた。

僕とは違う。だけど...。

「娘でいいと思う。」


「家族って深く考えるものじゃないと思う。僕もよくわかんないけど。」

「家族...。」

「うん!」

「そっか...。」

少しニヤッと笑うとまた、頭をおろす。

「ありがとう。」

「・・君は。僕みたいにならないでね。」

僕みたいに居場所を失わないで。


「戻ろうか!」

「うん...。」

僕らは立ち上がった。

シュッピンッ

信じられない。

嫌、見たくなかった。

リンレイの胸に矢が突き刺さっていた。

「あ・・・あぁ・・・。嫌。何これ?!」

「リンレイ!!」

「死ぬの・・・?私死ぬの?」


「やだよぉ・・・。死にたくない。」

「大丈夫だから!!今、運ぶから!!」

リンレイは喚きそしてより血があふれる。


「あたし、生きたいよぉ。娘になりたいよ・・・。」

「喋らないで!!今。今助ける!!」

「もう、ゲームオーバーみたい。」

「そんなことない!そんなこと!!」

嫌だ。彼女はここで死んじゃだめだ。

「バイバイ。光君。」

蛍。そう、蛍みたいだった。数匹の蛍になり花畑に近付く。

そうすると何匹もの蛍が歓迎するように優しく飛びつく。




ゲームオーバー。悲しい文字が僕に見えた。
■作者からのメッセージ
ふぁんさーちまた人戻ってきましたね!!

これからよろしくお願いします!下手な小説だけどね...

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