世界から目をつぶる−空と雲の奏でる音符の粒−
作者: 棗 透   2008年05月06日(火) 08時55分33秒公開   ID:xWy5EFwhI2c






 廻る傘





 にじむ靴






 灰色過ぎる空









 き  っ  と  ど  こ  ま  で  も  続  い  て  い  る








 肌にあたる雫





 冷たい感触





 風力のない世界








 全  て  か  ら  耳  を  ふ  さ  ぐ










  イ ツ ダ ッ テ ソ ウ







 立ち止まり、目をつむる。





 自分を守る事しか知らないんだ。





 横ぎる車の音も



 水を弾く草の命も



 さみしくて鳴いている仔猫の声も








 
 知らない
 
 いらないんだ。

 何も聞こえない。

 聞きたくない







 銃弾を浴びる様に



 傘を打ちつける雨も






 全て   全て







 僕には必要ない。






 アスファルトを突き抜ける音





 弾ける音






 君は知らない。







 みんな    みんな







 君を奏でるメロディー







 君は気付かない







 その塞いだ耳を離さないかぎり




 その目を開かないかぎり




 あの空を 見上げぬ かぎり――――・・・・・。


■作者からのメッセージ
弾く雨は君へのメッセージ

流す涙は君の心からのSOS

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