チビドロ
作者: 冷夏   2010年03月15日(月) 22時30分24秒公開   ID:ov6RKaAr3rc


=6= 命名


<入江麗 目線>









私には幼いころの記憶がない








「あれ?」


私は自分の部屋を掃除するついでに親の部屋も掃除してあげていた


その時見つけた1つのアルバム


私はそれをめくった


内密に開くというそのドキドキ感がたまらなかった


でも・・・・






そこにあったのは私の写真や親の写真ではなかった


「ひ・・・かる・・・・??」


小さい光と大人達が移っていた


光と大人達は白衣を着ている


なんでこんな写真があるの・・・・?


私の親は誰一人移っていない


ここにはないはずの他人の写真


しかもこのアルバムにはその写真ばかり・・・


私は写真をめくり続けた


すると


「麗ー!お母さんの部屋は掃除しないでね!」


顔を赤らめながら母親が部屋に入ってきた


「えっ?」


私はアルバムをクローゼットに隠そうとそこに突っ込んだ


そうした瞬間に


ガラガラガラッ!!!


たくさんの箱が私に落ちてきた


「きゃー!!見ないでー!!」


母親はたくさんの箱を隠すように体全体で覆う


その箱にはダイエット食品と書いてあった


「・・・お母さん、大丈夫。何も見てない。私は今視力を失っています。」


棒読みでそんなことを言いながら私は部屋を出た


これは神様のイタズラなのだろうか


あれは


私にこの先を見せないようにするイタズラなのだろうか・・・


〜〜〜〜☆〜〜〜〜★〜〜〜〜☆〜〜〜〜★〜〜〜〜


「ねぇ、光って私の小さいころ知ってる?」


「ん?」


私は放課後に聞いてみた


光はキョトンとしている


「なになに?いきなり一緒に帰ろうって言ってきたと思ったら、何?」


「え・・・いや。知らないならいいんだ。私は昔のことを全然覚えてないから・・・。」


「・・・ああ。」


光は静かに言った


「思い出したくないことも含まれてると思うから、思い出さないほうがいいんじゃない?忘れてるってことはそれほど忘れたいことだったんだよ。」


「そうなのか?そんなもんなのか?」


「うん。・・・多分。」


「そうか・・・。」







「お二人さんは今日も一緒に帰るんですか〜?」


後ろから来たのは霧哉だった


「やっぱり2人は絵になるわ〜。」


私は一瞬顔をしかめてみせた


「こわいっす。」


霧哉は笑いながら自分の顔を手の平で隠した


「霧哉って光といつ知り合ったの?」


「はい?何で?いきなり・・・。」


光が霧哉の肩を叩く


「うん。なんかね、今日の麗は昔の話がしたいみたいなんだ〜。」


「そうなのか?俺と光は高校に入ってからだよ。・・・あ。そういえば綾は中学校は一緒だよな?お前ら2人。」


「うん。」


「あれ?麗、今日綾は?」


「いつもの生徒会。」


「じゃあ今日は俺ら3人か・・・。」


「そうみたいだね〜。」


「綾は忙しいから・・・。」


いつもの光景


男子2人と女子1人


〜〜〜〜☆〜〜〜〜★〜〜〜〜☆〜〜〜〜★〜〜〜〜


パラパラパラッ・・・


換気のため窓を開けていたため母親の部屋に入ってきている風


母親が片付け忘れたアルバムのページがどんどん進む


まるで時計の針のように・・・





『最後のページ』


そこには小さな光と機会に繋がれた小さな女の子の姿・・・


そして題名には

   









                

             【光と成功体第1号


                            命名:麗】





  
■作者からのメッセージ
謎だらけの終わり方でごめんなさい!

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