ジュエルプリンセスFlash 第6話 真反対
作者: 夏姫 みの  [Home]   2009年09月26日(土) 14時25分46秒公開   ID:I3pQytENAQc

「だって私は黒百合家の子だから」





鳴課なるかはうつむいて言う。

「そうよね。まあ親子だし。で、今は「金森かなもり 鳴課」という偽名を名乗って姫様たちの学校に行ってるわけね」
「その通りだわ」


鳴課は言う。

「でも、親子だけど鳴課が操っていたのよね。――母とその妹を」
「……そうよ。でも、結局は…」








「「消えてしまった」でしょう?」









由梨ゆりは鳴課が言う前に言った。

「……そうだね。「まるで黒薔薇ブラックローズが散ってしまった」って言えばいいのかな?」



「まあ、そんな感じかしら? でも……貴方が敵になろうとしても、私は容赦しないわよ。金森…じゃなく












黒百合 鳴課くろゆり なるかさん……?」













由梨はその場から立ち去った。鳴課はブラックローズ学園に向かった。




☆    ☆    ☆




ブルルル……




桃奈ももなのケータイのバルブが鳴る。電話は有紀ゆうきからだった。

「有紀ですわ。なんでしょう?」

ピッ……

「もしもし姉さん?」
「私ですけど、どうしたんです?」
「……ようくんとは、お話できましたか?」
「ええ」
「そうですか」



その時



「えっ……」

 黒いワンピースを着た女の子が見えた。そして金髪のショートヘアー。見覚えのある外見だ。桃奈は、まさかと思った。

「もしもし? 姉さん? 姉さ…」



桃奈は自分から電話を切った。




……間違いない!! あの子は……!!




桃奈は少女の方を、ポンッと叩いた。少女は振り向いた。














「……鳴課なるか……さん」





桃奈は驚いた。頭は真っ白だった。鳴課はにこにこと笑顔で言ってる。



「副会長さんの桃奈さん。休日にどこかお出かけですか?」
「……いいえ。貴方とは少しお話をしたかったのですわ」
「そんな怖い顔しないでくださいよ。別に私は…」


と鳴課が言いかけた時



「鳴課さん。貴方は、まだ日向ひなたくんを恨んでるんですか?」



桃奈は、はっきりとした声で言う。鳴課はうつむいた。

「……そうよ。桃奈さんの言う通り。彼は許さない

 鳴課は声のトーンを低くして言う。桃奈は鳴課が鳴課じゃない感じがした。そして、少しおびえた。

「いい加減に許したらどうなんです? 確かに、貴方の気持ちもわかりますわ。日向くんも反省してます」
「反省してる?」
「……ええ」

桃奈はつばを飲み込む。

「じゃあ、証拠は?」
「え」
「証拠は? 証拠があったら、許してあげてもいいよ」
「しょう、こ……」

桃奈は見せられる証拠なんて、持ってはいない。

「持ってはいないのでしょう? その顔でわかるよ」
「!!」

桃奈は足がすくんだ。

「桃奈さん。私の正体、知ってますか?」
「えっ……?! しょ、うたい?!」
「そう、正体。知ったら、きっと驚くわ」

桃奈は信じられなかった。鳴課に正体があったなんて、初めて知ったのだ。

「――でも、今知ったらお楽しみがなくなっちゃう」

鳴課は黒い宝石を桃奈に渡した。

「何ですか? これ」
「……まあ、副会長さんには持っていて欲しいもの。次に会う日まで、取っておいて。取っておかなかったら











































姫様プリンセスたちがどうなるかわからないよ?」






「?!」






桃奈はおびえた。そして声も出なかった。



「じゃあ、また会う日まで」



鳴課は桃奈の横を通り過ぎた。





鳴課さん。貴方の正体は何ですか……?





















貴方の姿 貴方の心
















何もかも全てが















過去と真反対でした。













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■作者からのメッセージ
話は本題になってきました。次回はどうなることやらw

 後半桃奈がメインw 本編で、こんなに桃奈を動かしたのは初めてかもしれません。桃奈ファンは嬉しいのかな?w
 前回から書き終わった後に、鳴課は病んでると思ったことがありましたw 本館のブログでもそのことは書いてますww

ブログの本館・別館も要チェック! ですわ☆w

次回もお楽しみに♪

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